星出豊 (指揮者)
チマローザ:歌劇「秘密の結婚」、プッチーニ:歌劇「妖精ヴィッリ」等の国内でのオペラ初演や水野修孝:歌劇「天守物語」や三木稔:歌劇「あだ」ほか数々の邦人作品の初演など、国内オペラ界に極めて貢献しているマエストロである。星出氏の得意とするオペラ分野での新星日響との共演は1971年に声専オペラ研究会(現昭和音楽大学)主催によるヴェルディ:歌劇「ナブッコ」が最初であった。その後1975年の入野義朗:歌劇「綾の鼓」(郵便貯金ホール/日本オペラ協会主催)、同年ビゼー:歌劇「ミラクル博士」(杉並公会堂/東京オペラ・プロデュース主催)で新星日響の指揮を務めた。これらを機に新星日響へのオペラ演奏依頼が増えてくる。それまでは創立して以来ほとんどオペラ公演の経験が乏しいオーケストラが、後々評価が高まったのは、まさしく星出氏から得られたオペラの音楽性やテクニックが糧となったからであり、氏の功績は大きかった。定期演奏会には1976年の第20回に登場、三木稔:破の曲とヴェルディ:レクイエムをプログラムに取り上げる。財団法人化した新星日響の理事にも名を連ねるなど、楽団にとって不可欠の存在だった。