環境問題への取り組み

環境問題への取り組み~「グリーン・コンサート」

 2015年9月の国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)が採択された。その中でも環境問題に対する取り組みは、今や様々な分野で積極的に行われている。
 新星日響の活動時期においても、地球温暖化を中心とした環境問題についてはしばしば議論がなされていた。当時楽団長の榑松三郎は、所沢市の自宅近郊の雑木林がどんどん切り倒され、大量の産業廃棄物を捨てる空き地にかわっていく姿に心を痛めていた。それまで自然豊かで、自然と共存する循環農業が300年もの間営まれてきた地域が、急速に損なわれていく。そんな時にその所沢市周辺で野鳥のオオタカの生息する「おおたかの森」が危機に瀕していることを知る。

何とかならないのか… 何とかしなければ… それを音楽で…、

 新星日響は、「おおたかの森」を支援し環境問題を強く訴えるコンサートを企画した。1998年5月22日に開催されたそのコンサートの名称は「グリーン・コンサート」。音楽を通して環境に対する意識を多くの人々に根付かせようと試みたのである。
 “21世紀へ緑を送る音楽会”と周知したこの演奏会は、毎日新聞:〔広がれ「おおたかの森トラスト」23日緑のコンサート〕、読売新聞:家庭とくらし欄〔新星日響が市民団体と提携、環境保護訴える演奏会〕と大手メディアに大きく取り上げられていった。

グリーン・コンサート
~21世紀へ緑をおくる音楽会~

1998年5月23日(土)18:30 開演
東京芸術劇場

指揮:オトマール・マーガ
司会・語り:宮崎淑子

曲目
グリーク:『ペール・ギュント』組曲より“朝”
ヴィヴァルディ:『四季』より春
オネゲル:夏の牧歌
スメタナ:交響詩『モルダウ』
ドボルザーク:交響曲第9番『新世界より』

協賛:オリエントコーポレーション
 公演はほぼ満席となり、クォリティの高い演奏とともに環境問題へ意識を多くの聴衆に届けることができた。この時集まった50万円が「おおたかの森トラスト」に寄付されることになる。
 この時期から新星日響では森林保全のためチラシ、プログラム等公演に使用する紙のすべてを非木材紙のケナフ紙に切り替えていった。一般的に紙は森林を伐採してセルロースを取出し、パルプにして生産される。一方、ケナフ紙は生育の早い草の一種で環境に負荷が殆どかからない。世界では中国、アメリカ、東南アジアで木材より大変多く植えられ使われていますが、当時日本ではあまり使われていなく、その故料金も高めだった。しかし、温暖化が急速に進む時代にあって次世代のことを考えていくことも、新星日響の活動には大切であった。
 このコンサートの実績は、その後、楽団を支援してくれた自治体からの評価が高かった。
 単に音楽を伝えていくだけではなく、社会の一員としての責務を重要視したこれらの試みは、聴衆や今後サポートしてもらうためのキーパーソンとなる方々からの共感を得られ、楽団の活動にとって大いにプラスになった。