オンドレイ・レナルト(指揮者)

オンドレイ・レナルト (指揮者)

楽団の歴史最後15年間、まさに”新星日響の顔”となったオンドレイ・レナルト氏が最初に定期演奏会に登場したのは1981年11月の第50回のことであった。曲目はドボルザーク:スタバト・マーテル、そしてウィーンに近いスロバキアの首都ブラチスラヴァを拠点に数々のシンフォニーやオペラの指揮で培われたレナルト氏の音楽の奥深さが、度々の定期への客演でオーケストラへ染みわたり、後の新星日響独特のサウンドを創っていった。新星日響2度の海外公演に同行、1990年の楽団創設以来初のヨーロッパ・ツアーでは、現地の聴衆にそのサウンドを遺憾なく発揮させ、続く1995年の「プラハの春音楽祭」を中心とした第2次ツアーでは、松下功:「飛天遊」、マーラー:交響曲第5番の熱演で聴衆の度肝を抜き感動の大きなうねりを巻き起こす。それはまさに「レナルト・新星日響」、指揮者がオーケストラの最大の力を引き出した最頂点だった。1986年に首席客演指揮者に就任、その後新星日響と密着した音楽活動を重ね、最終的内は「名誉指揮者・芸術顧問」の称号が与えられた。