トモコのふしぎな ベートーヴェン

オーケストラ・ファンタジー トモコのふしぎな ベートーヴェン

第7作目
原作 
作曲 
初演 1987年3月29日
指揮 田中良和
ベートーヴェン 熊倉一雄
会場 簡易保険ホール
毎年新作をつくり続けてきた新星日響だが、「トットちゃん」以降なかなかヒット作に恵まれない。そこで試行錯誤の上制作したのが音楽ファンタジー「トモコの不思議なベートーヴェン」だった。現代にタイムスリップしたベートーヴェンが、主人公の少女トモコの悩みに共感、トモコも難聴の苦しみにいるベートーヴェンに寄り添う。そして音楽の体験を通して二人の間に芽生える友情が生きる力を呼び起こしていく、という展開である。この物語をベートーヴェンの名曲で綴っていく、という構成であった。ベートーヴェンを演じるのは、落ち着いた演技力が評価される熊倉一雄、少女トモコには当時子役として人気のあった間下このみが起用された。西田豊子の脚本に新星日響のヴィオラ奏者である赤堀文雄がベートーヴェンの曲を挿入し命を吹き込む。この心温まる音楽物語は春休みの親子で初演されると瞬く間に拡大され、「トットちゃん」以来久々の大ヒット作品となった。